


がんの発症には加齢が深くかかわっています。
人間は細胞の分化・増殖で成長します。
また成長してからも、古い細胞の死滅と新しい細胞分裂を繰り返し、体の細胞はバランスを保ちながら絶えず入れ替わっています。
細胞を複製する設計図に当たる情報が遺伝子なのですが、何かの拍子にこれに傷が付くことがあります。
通常はこのような異常細胞は自ら死滅したり、免疫により抑止されるのですが、それがうまく働かず残ってしまったものががんです。
個人差やがんの種類にもよりますが、発生したがんは最初はゆっくり大きくなります。
20年ほどで10mmほどになったがんは増殖の速度を速め、1〜5年で30mm程度にまで成長します。
30mmを超えた後、自覚症状が現れ始め、転移の可能性も高まっていくということです。
昭和初期にはがんでなくなる方は極めて少なかったのですが、それは平均寿命が短く、がんが発生する以前に、それ以外の原因で死んでいたということでしょう。
健診法や治療法が進歩しているのにもかかわらず、がんで亡くなる方が増えているというのは、わが国の長寿命化、高齢化の進展と深くかかわっています。
また、がんの発生原因には、生活習慣、喫煙、化学物質、ストレス、ウイルス感染などが挙げられます。
現代人はさまざまな化学物質やストレスに長時間・長期間さらされています。
今後もがんで亡くなる方は増え、2017年には3人に2人ががんにかかり、2人に1人が死亡するという予測もあります。
(きど・てつお)1951年生まれ。北里大学医学部卒業。大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務支所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長等を歴任。胸腔鏡下手術の第一人者。
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さらに40〜69歳代になると、2人に1人ががんで死亡するといわれ、いつ自分ががんと向き合うことになってもおかしくない状況です。