


PET検査の撮影装置
確かにPETを使ったがん健診が導入され始めた頃は、そのように喧伝されていました。
しかし、PETでは空間解像度の限界で、10mm未満のがんを発見することはまれです。
またPETは有効な検査法ですが、得意・不得意があり、万能ではないということを知っておいていただきたいのです。
ただし、他の検査法と合わせることで、極めて精度を高めたがん健診を実現することができます。
当センターで「PET総合がん健診」といっているのはそのようなわけなのです。
放射線を使ったCT装置では、解像度の高い人体の断面図を得ることができます。
また、MRI装置は強磁気により画像を得る方法で、どちらも外から体の内部組織の形態を観察します。
これに対してPETでは予め放射性の薬剤を投与し、組織の活動の状況を観察するのが特徴です。
がん組織の多くでブドウ糖の代謝が活発になることを利用し、ポジトロン(陽電子)を放出するフッ素18を付けたブドウ糖、F18-FDGを標識放射性製剤として用います。
これを静脈注射すると全身に分布した後、ブドウ糖の代謝の活発な部分に集まり、ポジトロンが消滅する際にガンマ線を放出します。
これを撮像し、がんを発見する目印とするのですね。
CTやMRIで得られた組織の形に関する情報に、組織で行われている活動の情報を合わせることで、がんの発見精度は格段に向上します。
大きさだけを気にする方がいますが、がんの活動の度合いや転移の有無を知ることが同じように重要なのです。
PETは悪性のリンパ腫の発見を得意分野としており、最初にできたがん、すなわち原発腫瘍とともにリンパなどへの転移も高い精度で同時に検査できます。
悪性リンパ腫や私が専門としている肺がん、大腸がんなどがPETの得意分野です。大腸にできたがんの発見率は非常に高く、自覚症状がなくてもPETで大腸がんを発見される場合がしばしばあります。
一方、もともとブドウ糖の代謝の高い脳や、腎臓、膀胱など製剤が排出される経路となる器官のがんは、PET検査だけでは判別できません。
また、ブドウ糖をあまり代謝せず、発見が難しいがんもあります。逆に炎症のある部分にブドウ糖が集まり、がんのように反応することもあります。
装置の進歩、CTの画像とPETの画像を重ね合わせて処理する画像処理の進歩に加え、その画像を読み解く人材の診断技術の熟練も検診の精度を高める大きな要素になります。
当センターで行っている総合がん健診の標準コースでは、PETで眼窩から大腿基部まで検査し、MRIで骨盤部、CTで胸部と上腹部を検査します。さらに超音波検査、血液検査、尿検査、便潜血、ピロリ菌検査、肝炎検査などを加え、発見精度を高めています。
MRI検査を頭部にも行い、脳疾患の発見にもつながるコースや、女性用のコースもあります。
標準コースの検査は4時間半ほどで終了し、その日のうちに結果がわかります。
(きど・てつお)1951年生まれ。北里大学医学部卒業。大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務支所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長等を歴任。胸腔鏡下手術の第一人者。
HP:http://www.dr-kido.jp
医療法人
聖授会OCAT予防医療センター
大阪市浪速区湊町1-4-1
OCATビル地下3階・4階
TEL:0120-728-797
HP:http://www.seijyukai.jp
「全身の微細ながんを一度で発見する検査法」と聞いていますが。