長寿社会の国民病ともいえる「がん」。そのがんを早期に発見して、早期治療、根治につなげる切り札として期待されているのがPET(ポジトロン断層撮影法)検査です。「その他の検査法と組み合わせて精度を高め、がん克服につなげたい」とする聖授会OCAT予防医療センターの城戸哲夫所長にお話をうかがいました。

PETによる情報は治療戦略の大きな判断材料になります

全身の検査が1日でできるのは大きなメリットですね。

残念ながら健康診断では保険が適用されず、標準コースでは15万5千円の費用が掛かります。
その一方で、2006年から、がんの存在を疑われるが確定診断が得られない場合や、病期診断や転移・再発の診断について、PET検査が一部、保険でできるようになり、保険診療も増えてきています。
当センターではPET検査とCT検査を同時にできる装置も導入し、主に体力に配慮の要する患者さんに使っていただいています。

また抗がん剤の効果判定にもPETは有効です。
抗がん剤が効くか効かないかには個人差があります。
薬が効いてがんの活動が低下していても、がん細胞はすぐに小さくなるわけではなく、CTなどによる形態の診断だけでは薬の効果は判定できません。
その点がんの活動状況を見るPETでは、薬の効果が早期に判定でき、副作用を我慢しながらその薬を続けるか、ほかの方法に切り替えるかを早期に判断し、治療戦略を変えることができます。

今後のがんの検査、治療はどのような方向に向かうとお考えですか。

放射線を検査や治療に用いる放射線医学がますます発展していくと思われます。
まずPET検査についてですが、今後ブドウ糖以外の物質に着目した、より確実性の高い標識放射性製剤の開発が期待されます。

そして治療法では放射線療法が有望だと思います。
主ながん治療には手術、抗がん剤、放射線療法があります。
日本では放射線療法が遅れ、手術できなくなったがんに対して放射線療法を行うというイメージがありましたが、欧米では早期のがんから放射線療法が多く用いられています。
PETやCTでがんを早期発見し、高い精度で場所を特定し、放射線で他の正常細胞を傷つけることなく、がん細胞のみを狙い撃つ。
体を切る必要もない。
通院での治療も可能です。
まず、第一にそういった治療法が選択される時代がくると思います。

「がんだとわかると怖いから、がん検診は受けたくない」と尻込みする人が多くいます。
しかし、早期発見により、体に負担の少ない治療法で根治の確率も高まりますし、治療の費用や仕事が出来ないという経済的負担、ご家族も含めた精神的負担を軽減できます。
さらなる精度向上が望まれますが、「PET総合がん健診」は早期発見のための最善の選択であると思います。

がん克服の決め手は「早期発見に勝るものなし」ということですね。
本日はどうもありがとうございました。

城戸 哲夫

聖授会OCAT予防医療センター所長

(きど・てつお)1951年生まれ。北里大学医学部卒業。大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務支所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長等を歴任。胸腔鏡下手術の第一人者。
HP:http://www.dr-kido.jp

医療法人
聖授会OCAT予防医療センター

大阪市浪速区湊町1-4-1
OCATビル地下3階・4階
TEL:0120-728-797
HP:http://www.seijyukai.jp

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